あたしの証~番外編~
そのまんまの意味って言葉を、にわかに信じられていない俺は何度も尋ねる。
そんな俺にあかりはうざがりもせず、答えてくれた。



「…わかるの。
他の人を好きになろうとすればするほど、あたしの心はなつきに支配されていったの。
…一種の麻薬だよ、なつき」


何だよ、それ。

眉を下げながら、切なく笑うあかり。



「はは…麻薬って。
………っ」


あかりも。


俺と、同じ気持ちでいたのか?

離れてから、俺を忘れられないでいたのか?



「好きだよ、なつき」


「ずっとずっとなつきだけ好きでいる」


「毎日、なつきに会いたくて仕方なかった」


「なつき」


「なつき……」


あかりをゆっくりときつく、抱き締めながら、


「俺も、好きだよ。
……あかり」


ずっと、言いたくて言いたくて仕方がなかった言葉を告げた。


こんなに、簡単で簡潔で、言ってしまえばあっという間なのに。

どうして、ここまで時間がかかってしまったんだろう。
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