あたしの証~番外編~
「…でもさ、あたし手紙なんか渡してないんだよね」
…何て?
手紙なんか渡してない?
「あかりって書いてあったんでしょ?
あたし、そこまで書いてるんなら記憶あるはずだし…。
中学の時のなつきにそんなことする理由?がないよ」
黙る俺に、あかりは続けた。
「ねえ、それってさ。
いじめた奴らが仕組んだんじゃないの…?」
その言葉に、俺はガバッと起き上がりあかりを見降ろす。
そんな馬鹿な。
じゃあ、俺が今まであかりにして来た事って言うのは。
全く、意味のなかった事なのか?
復讐なんて、…しなくて良かったのか?
力なく笑う事しか出来ない。
俺は、あかりに。
なんて事を、してしまったんだ。
勝手な思い込みで、あかりを恨んで。
無関係な人間を、ただ傷付けてしまっただなんて。
頭を抱えて、うなだれる俺の手をあかりが取る。
それから、自分の胸元へと手繰り寄せた。