あたしの証~番外編~
「きょうさん」

「ん?」


ひとしきり笑った後、あかりがきょうさんを呼ぶ。

何?と思った俺はあかりを見つめた。


「私、もう、なつきを好きでいる事…遠慮しないんです!
だから、何かあっても絶対どうにかしてみせます!」

「………」

「……こりゃ、また。
ノロケ。大ノロケだな。
あかりちゃん、やっぱなつなんか辞めて俺にしよ」

「はあ!?きょうさん!?」

「無理です、ごめんなさいっ」


きょうさんの言葉に焦る俺。
だけど、あかりは即答できょうさんに断る。


それにまた、二人で目をまん丸にした。



「あはは、振られちゃった!俺っ」

「……全く、きょうさんは」


そう、悪態ついたけど。

本心は嬉しさと、照れ臭さでいっぱいだった。


前はこんな風に断ったりしなかったのに、今はきっちりと断ってくれる。
ただ、それだけでこんなにも舞いあがれる。

< 291 / 473 >

この作品をシェア

pagetop