あたしの証~番外編~
「…実はあたしも紹介したい人がいるんだよね」

「あかりも?」

「うん」


あかりは頷いた後、少し遠慮がちに俺を見る。
なんだ?
誰に紹介しようってんだよ?

親か?

まだ早くねえ?
いや、挨拶しろってんならいくらでも喜んでいくけども。


「その人、ってのが…あたしの、ほら、一緒に暮らしてたって言ってた人」

「ああ、うん」


あれから、あかりと会う回数を重ねる度にたくさんの話をした。

今までの出来事も含めて。


その時に俺は“ゆうや”と“りな”って人物の名前を聞かされた。
二人はあたしの家族なんだって。



そのゆうやって人が、あかりを拾ってくれて、それからゆうやの恋人と一緒に住む様になった。
それは聞いた。



「…あのね、二人は同性愛者なの」

「え?」

「ゆうやと、りなさん」

「………」


同性愛者?

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