あたしの証~番外編~
急に俺の顔面に一発、グーパンチを入れた。
殴られた衝撃で、倒れ込む。


「っっっ!!」

「り、りなさん!?」

「りな!?」


ゆうやさんとあかり、二人が同時に立ち上がる。
チカチカする目の前。


口の中を切ったのか、鉄の味がする。


だけども、りなさんの顔は終始笑顔。



「私達の大事なあかりちゃんを、たくさん傷付けてくれたからね。
ゆうやに殴られなかっただけ、いいと思いなさい。
ゆうやも、もういいわね?」

「……くっくっ、ああ」


喉を鳴らしながら、ゆうやさんは笑っている。
あかりはおろおろとしていた。


「はい、夏樹ちゃん、いきなり殴って悪かったわね」


そうやって、俺に手を差し出した。
わけわからないまま、俺はその手をとる。


立ちあがってから、りなさんは満面の笑みで俺を見た。


「いらっしゃい、歓迎するわ」
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