あたしの証~番外編~

「あの歳であんなに一人で全部やろうとして、甘えようとしない。
全部背負い込もうとして、背負いきれなくて潰れてる。
それで、あのタトゥー…のことがあったでしょ」

「…ああ」

「甘えるって、最初に母親にすることでしょ?
それが出来てると自然と出来るものなのよ。
それが出来ないってことはあかりちゃん、我慢ばっかりしてたんでしょうね」

「……」

「でなきゃ、私の手料理であんな喜ばないわよ」

「…そう、だな」

そうだ、あかりは初めてりなが料理を作った時泣いていた。
あれは……久しぶりの“誰かの手料理”に泣いてたのか…。


「……あかりちゃん見てると、切なくなるの」

「切なく?」

「なんか、たまに酷く陰のある顔するでしょ?
それが本当に苦しくなるの」

「……」

「女嫌いなゆうやが助けたくなった気持ち、わかるのよ。
一緒に暮らしてね」


りなも感じていたのか。
たまに見せるあかりのあの顔に。
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