あたしの証~番外編~
新しい恋
翌日、りなは張り切ってケーキを作っていた。
あかりちゃんに食べさせるんだって言って。
甘いものがあまり好きでない俺は、匂いだけでたくさんだ。
焼きあがるぐらいに
「あかりちゃん、呼んできて!」
りながそう言うから俺はあかりを呼びに行く。
「あかりー?」
「なーにー?」
ケーキ焼いたと伝えると、あかりは喜んで出てきてその匂いに酔いしれた。
……俺は胸やけしそうだけど…。
だけど、本当に幸せそうにケーキを頬張るあかりを見るのはいいかなと思った。
「お前もな。なんか、こんなん作れれば男出来るんだろうけど」
ふいに出た言葉に俺ははっとする。
あかりは頬張った手を止めて、俺を見てからりなを見て微笑む。