あたしの証~番外編~
あまり客はとろうと思ってなかった。
りなの紹介で彫ったり、紹介で彫ることが主だった。
ホストで十分稼いでるし、稼ぐ必要はなかったから趣味程度にやっていた。
あかりに初めて彫る日、あかりはいつも以上にウキウキしている。
タトゥー彫られるのが嬉しいのだろうか。
俺は思いながらあかりを見る。
あかりはタトゥー雑誌をぱらぱらめくる。
「なんか、入れてもらいたいのとかある?」
「ん~ないかな?ゆうやにおまかせする」
「いいのかよ」
「うん、いいよ」
曇りのない瞳で言うあかり。
俺を全面的に信用してるんだろうか。
だから、俺はあかりに蝶を入れた。
俺が入れるファーストタトゥー。