あたしの証~番外編~
なつきSide
夏男時代
……学校行きたくないな。
「なつき!ほら、朝よ!」
お母さんの怒声がするが、僕の腰は重い。
「なつきっっ!!」
耳をつんざく声と同時に、温かった布団がはがれる。
「遅刻するわよっ!」
「……はあい」
渋々返事をして、僕はパン一枚を食べて学校へ向かった。
学校に着いて、恐る恐る下駄箱を中を見る。
………あ、何にもされてない。
ほっとして、上履きに手を伸ばした。
ぐにゅ
…………?
何?
変な感触がする上履きを再度、まじまじと見ると僕の指と上履きが糸を引いている。
「…わっ!」
小さく叫ぶと、自分の指を見た。
…………ガムだ。