あたしの証~番外編~
俺は咲夜の腕を自分の肩に回して、持ちあげた。
そのままずるずると引っ張ってタクシーに乗る。
先に咲夜を入れて俺も乗り込んだ。
行き先を告げて俺は隣の潰れた咲夜を見る。
「……あ…か、り」
咲夜が小声で呟く。
「ゆう、やさん」
「…何」
「…おれ、じゃ駄目なんす…よ」
「…大丈夫だ。
お前なら」
「…………」
それ以上咲夜は目を閉じて何も言わなかった。
咲夜の家に着くと俺はあかりに電話をかける。
すぐに出るあかり。
外に来いと言うと、あかりはものの数分で出てきた。
「れん!ゆうや!」
あかりが先に咲夜を呼んだことに俺は安心する。
…咲夜、これでもわかんねーのかよ。
あかりの中でお前は俺よりも上なんだよ。