あたしの証~番外編~
俺は無言であかりに咲夜を預ける。
あかりは困ったような顔で咲夜を見ている。


「ゆうや!ありがとう!」


タクシーに乗り込む俺にあかりは慌てて声をかける。
俺は手だけひらひらさせて二人の方を見なかった。



帰宅した俺をりなが迎えてくれた。
その笑顔を見ただけで俺は安堵の息をつく。


…俺の精神安定剤はりなだ。
咲夜の精神安定剤があかりになったらいい。


俺は薄れゆく意識の中でそう思った。




昼。
ガチャンと言う玄関の閉まる音で俺は目を覚ました。



俺は起き上がり扉を開ける。


「…あかりか」


「あ、起こしちゃった?」


あかりが俺に気付くと申し訳なさそうに言う。
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