あたしの証~番外編~
「いや、いいけど」
「あ、あの」
…?
寝ぼけ眼であかりを見つめる。
あかりはもじもじしながら俺の顔色を窺っている。
何だろうか。
俺が訝しげな顔をすると、あかりが口を開いた。
「あたし、れんと一緒に暮らしてもいいかな」
何故俺に許可を取る。
好きにしたらいいだろ?
「…よかったじゃん」
「え?」
俺の言葉に驚いたようにあかりは俺を見つめる。
あかりはまた何か言いたげにしてたけど、俯いて何も言わなかった。
「いつ?」
「え?」
すっと顔を上げたあかり。
何でそんな泣きそうな顔をしてるんだよ。
おい、あかり。
お前幸せじゃないのかよ。
「咲夜の部屋に移るの」
「あ…、徐々に荷物持ってくから…」
少し言葉を濁しながら言うあかり。
好きな男の部屋で一緒に暮らすなんて…。
女は嬉しいものじゃないのかよ?
わかんねえな、やっぱり。