あたしの証~番外編~
「俺とあかりは何もねーよ」
いきなり出たあかりの話題に咲夜がカッとする。
「そんな話してませんよ!」
「わかってんじゃん。
じゃあ、なおさら気をつけろよ。
そんな危ない女、お前の女に手を出さないわけねーから」
「……気をつけます」
あかりに何かあったらぶっ飛ばすぞ?
そう、言いそうになったのをぐっと堪えて俺は咲夜を見据えた。
渋々頷いて出て行く咲夜。
その後ろ姿に声をかける。
「あかりのこと、まじで頼むな。
俺じゃ無理だから幸せにしてやって」
あかりに恋愛感情を抱けないから。
咲夜はいい奴だから。
あかりは笑えないから。
何も返さないで咲夜はスタッフルームを出て行った。
俺はタバコを一本取り出して火を点ける。
それを深く深く吸い込んだ。