あたしの証~番外編~
僕は慌ててしゃがみ込んだ。



カツカツと足音が近付いてくる。




本棚と本棚の間から見えたのは、同じクラスの木下あかりだった。





木下…さん。




「…違うっ!」


木下さんからいきなり発せられた声にビクッと肩を揺らした。



……独り言…?



「……あれ?これ、借りた………あ、借りた」




…独り言だ。
可愛いなあ…。





目を細めて木下さんを見てると、気が抜けたのか、僕の腹の虫が図書室に鳴り響いた。




「……誰かいるの?」


木下さんがこっちに近付いてくる。




まるっきり無駄なのに、慌てて顔を隠した。





「………なつお?」



……



「…………う、うん…」



僕はボソッと消え入りそうな返事をした。
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