あたしの証~番外編~
「お腹空いてるの?」


「………」




はっきりと聞こえたであろう腹の虫を思い出して、赤面する。
何も言えずにいると、木下さんは急に踵を返して図書室を出て行った。





……………




絶対、変だと思われた…。
何も言わずにいなくなるなんて…。




肩を落として、顔を腕の中にうずめるていると廊下でバタバタと音がする。


その音の主は図書室に入ってきて、僕の目の前で止まった。




ゆっくりと顔を上げると、そこには肩で息をする木下さんがいた。





「これっ…!あたしの、食べかけでっごめんだけどっ」



途切れ途切れに言いながら、木下さんが差し出してくれてたのは給食の残りのミルクパンだった。


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