あたしの証~番外編~
「やあね、ゆうや。
そんな顔したら、夏樹ちゃん怖がっちゃうじゃない」
その笑顔を見て、俺が固まる。
こんなに笑ってないりなは初めてだ。
笑ってるけど、笑ってない。
そう思ってたら、りなは夏樹の前へ立ち急に腕を振り上げると一発。
夏樹の顔面へとパンチを繰り出した。
思わず、立ち上がる。
「りな!?」
呆気に取られながら、りなを見るとまだ笑顔を崩さない。
「私達の大事なあかりちゃんを、たくさん傷付けてくれたからね。
ゆうやに殴られなかっただけ、いいと思いなさい。
ゆうやも、もういいわね?」
そう言うと、りなは俺の方を向いてにっこりと極上のスマイルを向けた。
「……くっくっ、ああ」
ダメだ、笑いが止まらない。
りなは倒れ込んでいる夏樹に手を貸す。
「はい、夏樹ちゃん、いきなり殴って悪かったわね。
いらっしゃい、歓迎するわ」