あたしの証~番外編~
「あ!」
りなは片付けをしながら、急に何かを思い出したかの様に声を出す。
何も言わずに、顔だけりなに向けるとりなは目をくりくりとさせた。
「そうだ!あのお金、あかりちゃんと夏樹ちゃんの子供の為に貯めましょうよ!」
りなはとってもいい事を思いついたと思ったんだろう。
自信満々にそう話す。
「…気がはええわ」
子供って。
まだ寄り戻したばっかだっつうのに。
もしも、結婚式する前にあかりを妊娠させたら今度は俺が殴ってやる。
俺の返事が不満だったのか、りなは少しだけむくれる。
「いい案だと思ったのに」
「…いや、いいと思うよ。それならあかり、受け取るだろうから」
「そうよね?そうよね!」
その返事に、すぐに笑顔を見せるとりなは片付けを再開した。
あかりと夏樹の子供。
……きっと、可愛くて仕方ないんだろうな。