あたしの証~番外編~
黙った俺に哲が慌てて言う。


「まさか、女持ち?
でも、合コンぐらいいーじゃんっ」


軽い。
こいつ、絶対軽い。



「…行くよ」


「えっ!まじ?!やったー!女の子可愛いからっ」






ふっと、木下さんを思い出す。
あれから俺は何度も何度も木下さんを思い出した。





あの悔しさ。
絶対忘れない。





授業はさっぱりわかんなくて。
俺はずっと隣の哲に話しかけられて、相槌を打っていた。



先生が全く注意しないとこを見ると、哲はいつもこうなのかもしれない。



休み時間になると、廊下がざわざわして人だかりが出来ていた。



………何だ?




俺は不審げにそっちを見る。
よく見ると、いるのは女ばかり。

俺が見たと同時にキャーと言う声が聞こえる。



……………?
< 57 / 473 >

この作品をシェア

pagetop