冷たい君が一途に好き*幼なじみに片想い*(仮)
「…どうせ断っても無駄なんだろ?」
風麻は不機嫌そうに、颯くんを見る。
「そうそ〜♪ んじゃ、お2人さんまたね〜」
「萌加、アレは守ってね〜♪」
颯くんと桃江は、あきらかに何かたくらんでる様子。
そして、あたしたち2人を残して…
桃江たちは、玄関を出て行ってしまった。
…ドキン、ドキン…
風麻と……2人きり。
鼓動が、どんどん早くなっていく…。
…しばらく黙ってたら…風麻が歩き始めた。
…あぁ、やっぱり一緒に帰るの嫌なのかなぁ。
なんて思って風麻をじっと見つめていたら…
「……帰んだろ?」
歩いていた足をとめて、
相変わらずダルそうにそう聞いてきた。
「帰んだろ?」
というのは…一緒にってことだと理解する。
一緒に帰ってもいいんだ…。
「…う、うん! 帰る〜!」
なぜだか嬉しくて泣きそうになるのを抑えながら、あたしは明るくそう言った。
風麻が…あたしと一緒に帰ることに文句を言わなかったことが、
どうしようもなく、嬉しい。