冷たい君が一途に好き*幼なじみに片想い*(仮)
「ごめん誰のこと言ってる…?
あたし、身に覚えがないのだけど…」
「結城守」
風麻はあたしの方を見ずに歩いていく
あたしは少し立ち止まって、脳内を巡らせていると…、
ふと、思い当たる人物が浮かんだ。
結城守って…もしや昼休みにあたしに話しかけてきた…!
「あ、待って風麻! なんかね、その人と今日初めて話したんだけど、なんか色々あって友達になったっていうか…。勝手にそうなったというか…」
あたしはスタスタ歩く風麻を追いかけながら話していく。
「好きかって会ったばかりでそんなのないし…、それにあたしは、……っ」
…風麻が、好き。
その言葉は声に出されずあたしの中で飲み込まれていく
もう好き好き言わないって決めたんだもん。
これ以上、風麻に嫌われないために、好きって言っちゃダメなんだ。
「……」
風麻は聞こえているはずなのに…私の話に対して何も返事をしてくれない。
急に好きになったのか、なんて聞くから少しは気にしてくれてるのかと思ったのになぁ…。
風麻が何も発さないから私もなにも言えなくて。
この少し気まずいような何とも言えない空気の中、
ついにお互いの家に着いてしまった。