王子さまの秘密
仲野たちは、半べそをかいて走って逃げていった。






「大丈夫か?」






その優しい声に私は、体の力が抜けてその場に座り込んでしまった。






「こっ、怖かったぁー…」





そういった瞬間、シトラスの香りが私の鼻を掠めた。






「もう、大丈夫だ。
安心しろ。俺がいる。
それと、我慢しなくていいぞ。
泣きたいときは泣け。」






その言葉を聞いた瞬間私の何かが切れて涙が止めとなく溢れてきた。






「ふぇ…ぐすっ。」





私が泣き終わるまで背中をトントンと叩いてくれた。





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