MILKCAT
『手だけはまるで女』なんて至らない事を言う彼の手を振り払い、ワックスでセットされたその赤髪を乱す。
『わ、わ、何すんだよ!』
「何が"女"だ」
ついでにと、先程振り払った手を逆に俺が掴みぐるっとねじ伏せる。
『――い、だだだだっ!!』
パッと手を離せば目を潤ませながら俺を睨んで来る。
『ちょっとした可愛い冗談じゃねえか!それなのに何だよっ!!...大人気ねえぞ!』
「まだ大人じゃねえもん」
俺の隣で地団駄を踏む彼。...お陰でガタガタと俺の座る椅子と手を乗せている机が揺れる。
フミヤは『キーッッ!!』と唸ると俺にビシッと指を差して来た。...お前は猿か。
『――そ、そもそもなあ!てめえは細いけどな!顔も嫌味なぐらい整ったイケメンで多分、女装も似合うだろうけどな!
そそ、そんなに力が強ええ女は居ねえって事分かれよな!』