MILKCAT
「...」
『また来るからな!』と言い残して走り去って行ったフミヤ。
...なんだあいつ。結局なにを言いたかったのか伝えたかったのか俺には理解出来なかった。
「――ぶはっ、」
あー、面白れえ。あいつマジ面白れえ。
あいつの顔を思い出そうとするだけで笑えてくる。
「ははっ
...――はーぁ」
――ひとしきり笑い終えた俺は静かに席を立った。
「あー、腹痛え」
自分のコンプレックスでもあるフミヤに言われた細い華奢な手をお腹に這わせて歩く。
フワリ、フワリ、視界に入る自分のミルクティー色の柔らかい髪を摘みながら廊下を歩く。
特に何も入っていないカバンを片手に歩く。
「...さよーならー」
歩いて歩いてたどり着いたのは此処、風台高校の校門で。フラりと門を抜けて丁度人が少ない昼前という時間に俺は街へと足を運んだ。