年上のあなた
「で、終わってるのに何してんの?」
帰ると思った林は、手近にあった帰宅した社員の椅子を引き出し、俺の隣に持ってきて座った。
「…仕事。」
彼女を鑑賞していたなんて言ったら変質者染みているし、そもそも付き合っていること事態秘密なのだ。
「残業嫌いな勅使河原が?」
「残業は、出来ればしたくないよ。けど、お前らがクライアントと無謀な納期を約束するから仕方ないだろ。」
「でも、そのおかげで今日は彼女と帰れるじゃん。」
林の言葉に、俺は瞠目した。
「なっ…。」
「なんで知ってるかって?俺とお前の仲だろ~。」
林はふざけて肘で俺をつついた。
俺は、全く笑えなかった。