一匹狼な彼氏と能天気な彼女
体育祭
【陸斗side】
香瑠と教室に戻り、ガラッとドアを開ける。
廊下から分かるほどいつもに増してうるさい教室がピタッと一瞬にして止んだ。
「わぁー、あたしたち有名人みたい。」
と、面白がる香瑠。
ある意味有名人かもな。
俺らが席に着くと、奴らはまた少しざわつき始めた。
でも、その内容は全部同じ。
「なに、あれ。」
「さあ。」
「まさか…」
「違うでしょー。」
「俺さっき見たんだけど。」
「何を。」
「金が店でなんか買ってんの。」
「あっ、俺も。そのまま上。」
「まじ?」
ヒソヒソ話したり、内容が分かんないようにしてんだろうけど無駄。