一匹狼な彼氏と能天気な彼女
窓側の一番後ろの席のただ一人だけ、
島崎くんだけが、
誰とも何も話さず、何もせず、
一人静かに座っていた。
肘をつき、いつも通りの、表情なんて知らないような無表情で外をぼーっと見つめてる。
そういえばまだ声を聞いたことがないかも。
あまり学校にも来ないし、来たとしてもすぐどこかへ行ってしまう。
誰とも連まず、いつも一人でいる島崎くん。
いや、逆に周りの人が近づかないんだろうなー。
彼は世にいう"一匹狼"。
あれっ、でも狼って群れで行動するんじゃなかったっけ?
……忘れた…まぁ、いっか。
島崎くんはそれを望んでしているのか、否か。
別にあたしの知ったこっちゃない。
でも、彼には何か足りない気がする…
まだその"何か"は分からないけど。