一匹狼な彼氏と能天気な彼女
普通そんなに騒がねぇだろ。
……コイツに普通は通用しないんだった。
「はぁ……じゃ、次は誰が相手だ?」
溜め息が出たが、気を取り直してそう言った。
「チッ…おい、行くぞ。」
ナンパ男たちがゾロゾロと引き上げていく。
気づけば、いつの間にか俺たちの回りを野次馬が囲んでいた。
そしてなぜか、一人、二人と段々拍手をする人が現れる。
な、なんだ…?
気づけば、野次馬全員が拍手をしていた。
その拍手は、俺に向けられているものらしい。
疑問に思っていると、そんな俺に気づいた香瑠が答えてくれた。
「島崎が助けてくれたからだよ?」
「…俺、が……?」
「うんっ。」