一匹狼な彼氏と能天気な彼女



「どうなの?」

「……。」


そして何も言い返せなかった。



教室は俺の返答を待つかのように静まりかえっている。


俺、何か言った方がいいのか…?


だが、口を開いたのは香瑠だった。



「んでそこの乙女たちっ!!」


ビシッと指を指す。



「他人のことをどう思ってるかは自由だけど、自分の意思は大事にしなよ。
以上っ。」



そう言うと、梨紗ぁ~、とダチのところへ行き始めた。



そのダチはというと…

「あー、はいはい、よしよし。」


慣れた手つきで、しかも棒読みで、抱きついてきた香瑠を撫でている。





< 83 / 128 >

この作品をシェア

pagetop