一匹狼な彼氏と能天気な彼女
「どうなの?」
「……。」
そして何も言い返せなかった。
教室は俺の返答を待つかのように静まりかえっている。
俺、何か言った方がいいのか…?
だが、口を開いたのは香瑠だった。
「んでそこの乙女たちっ!!」
ビシッと指を指す。
「他人のことをどう思ってるかは自由だけど、自分の意思は大事にしなよ。
以上っ。」
そう言うと、梨紗ぁ~、とダチのところへ行き始めた。
そのダチはというと…
「あー、はいはい、よしよし。」
慣れた手つきで、しかも棒読みで、抱きついてきた香瑠を撫でている。