一匹狼な彼氏と能天気な彼女



「お前が叫んだ後からに決まってんだろ。」


そう言って、あたしの隣に腰を下ろす。



あっあたしまだ許してないんだからね。

そう告げるかのように、あたしはくるっと陸斗に背を向けた。


が、その直後。



カサ…


袋の音とともに、あたしの顔に影ができた。

ん?と音のした方を見る。



っ!!

パシッ



はっ、つい条件反射で…!!


それを掴んでから自分の行動に気づく。



そして、掴んだその手を陸斗に引っ張られ、起き上がって座った体勢へといつの間にか変化していた。


あ、あれ…?

状況が飲み込めず混乱しているが、捕まえた獲物は離さない。





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