絶望の部屋
「あっ、やっと見つけましたよ。」と声が聞こえた。



正直嬉しかった。



僕をまだ探してくれるやつがいるなんて!
と思い声のする方に振り返った。



そこに立ってたのは一成でも栞でも七海でもないゼツボウが立っていた。



まじかよ。ほんとに絶望だよ。



お前の顔なんて見たくないんだよとしか思わなかった。



「なんのようですか?」



「明日の集合時間を伝えに来たんですよ!」



「へぇそうっすか。で何時なんですかね?」



「明日も前と同じ九時ですよ。明日は陣取りゲームの最終戦なんで頑張ってくださいね。」



「そうですか。わかりました」


「ではくれぐれも時間厳守で。」と言いゼツボウは消えていった。



はぁ。もぉ僕に戦う意味は残ってるのか?


まずこの足じゃまともに歩けないから次で死ぬかも知れないな。



まぁ約束破りにはちょうどいい死にかただな。



でもね一成。僕は自分のしたことを間違ってるとは思っていないよ。



だって僕は一番大事な親友の命と引き換えに約束を破ったんだからね。



もしあの時に刀を抜かないなら僕はあの時の僕を好きになれないから抜いたんだよ。



これが間違った選択だと言うなら僕はこの世界が間違ってると思う。一成の気持ちは痛いほどわかるけど一番失いたくないものを目の前でもう一度失うのは嫌だったんだ。


だから親友を守れたことを今は誇りに僕は思う。
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