背中に翼をもったキミ。
風をきって



陸上大会を明日に控えた今日は
いつもより、少し早く練習を終えた。


私は今日、鍵当番で最後に部室の鍵を締め
持って行かなくてはならない。


部員が居なくなり鍵を締め、後は職員室に返すだけと、考えていた時、急に後ろから声が聞こえた。


「南波。」


私はびっくりした。
誰もいないとばかり思っていたのに、
そこには私の好きな蒼井くんがいた。


「ど、どうしたの?もう皆帰ったと思うけど?」


「いや、俺、南波に話が合って…」


私は何かなと思い、首を傾げた。

そして、少しの間の後、キミが言った。


「俺、俺さ、南波の事が好きだっ!」


私は夢かと思った。
ずっと好きで好きで想い続けていた人からの告白。


私も自分の気持ちを言おうと口を開いた時


「待って!返事は明日大会が終わってからがいい」


顔を赤くして俯きながら言う
彼に愛しい気持ちでいっぱいで、私は


「うん。」


と返事をした。







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