背中に翼をもったキミ。
「うん....」
「蒼井くんがね、蒼井くんが.....」
「...........」
「.......事故で亡くなったの...」
私は聞き間違えかと思った。
「なっちゃん、いまなんて?」
「今日の帰り道にね、小さい男の子が転がった
ボールを拾いに、道路に飛び出したんだって......
それに気が付いた蒼井くんが男の子を庇って.....」
「....ィ..イヤッ...イヤッ!....」
「実花....」
「嘘!嘘!そんなの嘘だよ!」
「実花....」
私は訳がわからず、瞳から次から次へと零れる涙を拭うこともなく、ただ泣き、悲鳴にも似た声で叫んだ。
そんな私に向かってなっちゃんが静かに言った。
「今から、実花の家行くね…」
私は返事を返すことなく泣き続けた。