桜、舞い散る中で


そうこうしているうちに、あっという間に
お弁当箱は空になり、“ん~”という声と共に伸びをして
私の方に体を傾けてくる颯太。


そして、彼の頭がポフッと私の太腿に重みと共に乗っかった。


「甘えんぼさん。」
「舞衣にだけ、だよ。」
「そう?」
「うん・・・あぁ、気持ちいいね。こんなの久しぶりだ。」


そうだね。
いつも仕事仕事って、寝る間も惜しんで頑張っているもんね。


風に揺られ、サラサラと揺れる髪の毛を撫でると
気持ち良さそうに、そっと目を閉じて思い切り息を吸い込んだ。

< 10 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop