桜、舞い散る中で
「あ・・・」
「どうしたの、舞衣。」
「うんん。何でもない。」
目の前の芝生に、おぼつかない足取りで
でも、しっかりと両足を踏ん張って立っている小さな男の子。
その男の子の周りにニコニコ笑っているお母さんと、お父さんらしき夫婦がいた。
いつか、あんな風に颯太とその子供と
この公園で遊べる日が、来るといいなぁ。
なんて思いながら見つめていると
ふと、彼の髪を撫でていた手にそっと大きな手が重なってきた。
「ねぇ。舞衣も、欲しい?」
「え?」
「子供。」