桜、舞い散る中で
これって、これって・・・
もしかして――――――――――
「舞衣。俺と結婚して下さい。」
パカッと開かれた小箱から出てきたのは
小さいけれどキラキラと光る透明な石が入ったプラチナリング。
目の前が霞んでいく。
次から次へと、目から溢れてくる涙。
何とか嗚咽が漏れないように、右手で口元を覆うけれど
その手も涙で濡れていく。
「舞衣。俺、舞衣のこの手を一生離したくないんだ。」
「・・・ぅん」
「寂しい思いさせちゃうかもしれないけど」
「・・・ん・・・」
「俺、頑張るから。だから、受け取ってくれる?」
「うん」