桜、舞い散る中で


そう後ろから声が聞こえたかと思うと
ふわっと抱きつかれた。
良く知ってる、暖かな温もりと重み。


「起きたら、舞衣が居なくて探したよ。お花見に行くんじゃなかったの?」
「うん。そのつもりだったんだけど、アレみて懐かしくなって。」
「あぁ・・・野球?」
「うん。」
「そういえば、小さい頃ちょっとだけやってたなぁ。」


そう言いながら、私の隣に腰掛ける颯太。
暫く心地よい風に吹かれながら、2人で少年野球を見ていた。
そうしているうちに、キュルルっと隣からお腹の鳴る音が聞こえてきた。


「あれ、颯太。ご飯食べて来なかったの?」
「ん。だって一人で食べても、つまんないんだもん。」
「じゃ、コレ、一緒に食べる?」


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