桜、舞い散る中で
持ってきていた、お弁当を出して彼に見せる。
すると、ワンコのように目をキラキラさせて「うん」と首を縦に振った。
今一瞬、尻尾をふりふりしているのが見えた気がした。
私ひとり分しか、お弁当に詰めて来なかったから
足りるかな?なんて思いつつ
嬉しそうな颯太をみて、ついクスクス笑ってしまった。
「じゃ、公園に行こっか。」
「荷物、持つよ。」
そう言って、お弁当が入った袋を持ってくれる颯太。
そして空いた手には、颯太の温かくて大きな手が握られる。
公園に付くと、すでに日曜の昼間だけに
家族連れの人達や、お花見をしに来た人たちで賑わっていた。
私達も、芝生の広間にある木陰に腰を下ろしてお弁当を広げる。