初彼初狼

『えっ主任 車ですか?』

「そう。 だから飲まなかったんじゃん」


車通勤が許されている会社、だとはいえ
割と都会にあるうちの会社で車通勤とは


「・・・知らなかった。」


『乗ってく?』


心臓が 高鳴る

これ以上は マズイ。

絶対に マズイ。


でも でも でも


「ハイ!」

・・・断る理由なんて ない。


『神戸 家どこ?』

住所を告げると 俺の実家近い って楽しそうに言う主任の横顔を

私は、気づかれないように、 何度も 何度も 見ていた。


このまま 家までなんて つかなくたって 良い。

だから もうちょっと この人と

話をさせて


乙女チックに星に願いをこめてみたけど

『着いたよ。』

現実は こうだって。
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