初彼初狼

しばらく沈黙だった岡野主任が発した言葉は


『・・・コーヒー ブラックで。 会社のじゃ、ない奴』


コーヒーの注文でした。


『ついでに、今居る奴等だけで良いから、なんか買ってきてやってくんない?』

そう言いながら取り出したお金を受け取って



「はい。買ってきました。」


『・・・さんきゅ。』


言われた通り、会社の給湯室ではなく、ビルの1階に入っているコンビニのコーヒー


だって


『これ、旨いよな。』


いつも、飲んでるのを 知っているから。


『おい、差し入れ。神戸から。』

「えっ」

私からじゃ ないのに


『気が利く~神戸。』
『ありがと~』


外に出ちゃってる人が多い営業部に残っていた先輩達は、それぞれ受け取って
各自、持ち場に戻っていった。

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