初彼初狼
狼の 接触
『神戸さん ミーティングの資料、出来てる?』
「・・・すみません。もうすぐ出来ます。」
『あと どれくらい?』
「今、印刷しました!すぐにコピーします!」
『・・・すぐね。』
「ハイ!すみません!!」
あれから、本当に岡野主任は毎日の様に私につきっきりだった。
自分の仕事をこなしながら だと思う。
『・・・お先失礼します。』
まだ 残業という残業をした事がない。
「神戸ちゃん あがって良いよ。」
ミズノさんが居る時はミズノさんが。
居ない時は、他の誰かが。
定時がきたら そう声をかけてくれるから。
「まだまだ 足手まとい って感じ。」
今日は、たまたまロッカー室で同期のユリと一緒になったから
そのまま駅まで一緒に帰りながら ふと 漏らす。
『そりゃあそうだよ。』
まあ、私は定時で帰れて嬉しいけどね。
と言いながら 彼氏にメールしなきゃ とユリは携帯を取り出す。
「ユリは仕事順調?」
『う~ん。どうなんだろう。とりあえずまだまだ教わる事は山ほどあるよ。』