妖精と精霊と人間と

　「てめぇ・・・よくも！ゆるさねー！」
　男のもう一人がそう言うと、嵐に斬りかかった。嵐がすっとよけると、その後ろに居た北斗にナイフが刺さりそうになった。
　「目障りだ！」
　北斗は一言そう呟くと、その男を眼力だけで吹き飛ばした。男の持っていたナイフは、弧を描き明の目の前に落ちた。明はとっさに、そのナイフを拾い上げていた。
　「コラコラ、ボウヤ・・・そんなナイフ、持っていたら危ないよ？さあさあ、こっちに返しな。」
　「ほぉ・・・この俺様を愚弄するとは、良い度胸じゃねぇか！ぶちのめしてやる！！」そう言って前に進んで行くと、嵐の横で一瞬立ち止まった。「風流。そのナイフ貸してもらうぜ？」
　そう呟くと、嵐の手からナイフをサッと捕った。そのナイフの刃を下に向けて持ち、男に向かって走っていった。そして、華麗にその場でナイフを操ると、男は見るも無残な姿になっていた。