妖精と精霊と人間と
 そこで、エルフはこう言った。
 「で?ユニコーンだという証拠は?」
 確かに、もっともな話だ。こうして騙されて、人間の下に売られる妖精や精霊は数知れない。そこで、北斗はユニコーンの姿へと戻った。
 「本当・・・だったのか・・・」
 溜め息混じりにエルフはそう言って、レイピアへと添えていた手を離した。どうやら、信じてくれたようだ。
 「そぉ言えば、名前は?」
 美香がそう聞くと、エルフはふいと視線をはずした。
 「先にそちらから名乗れば良いだろう?」
 「あっ!そーだね。あたしは、美香。紺野美香。」
 「私は、ブラウン。ブラウニーで、ボブゴブリンの一種です。」
 「ノース・グリード・スター。見たまんま、ユニコーンだ。」
 「聖堂時明だ。」
 四人がそう名乗ると、エルフはこう名乗った。
 「私は、エルフ族の赤魔導師(弱体と強化の魔法に優れ、なおかつ剣技も使える者)・ラーグウェイ。こいつは四大元素の精霊、土の精・ノーム。」
 エルフ―――ラーグウェイがそう言うと、土の精は彼の周りをくるくると回った。そのノームは茶色い服に赤い三角帽子、しわに覆われた顔のおじいさんのようであった。
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