妖精と精霊と人間と
北斗は二日間寝ずに走った。三日目の夕方、北斗は森を出る前に人の姿へと変わり、街へと入っていった。流石に人間がやっているだけあって、豪勢で欲深い事この上ない。至る所で暴言が飛び交い、乱闘まで起きているしだいだ。北斗はそんな中、明を担いで一軒の宿屋に入った。そして、宿の一番奥の部屋を希望し、朝まで誰も部屋に入れない様に言った。だが、そこは人間だ。入るなと言われると入りたくなるのが関の山だ。そこで、北斗は入り口にバリアを張った。それから、明をベッドの上に下ろした。明は、ベッドの上でぐったりとしていた。今の戦闘でかなり疲れている様子だった。明をベッドに降ろすと、自分はユニコーンの姿に戻った。この世界では妖術で人に変身しているようなものなので、余計に体力を使うぶん余計に疲れる。ましてや、その細身で明を担いできたのだ。いつもの倍疲れても、しかた無い。