妖精と精霊と人間と
 「明さん!?そっちに行ってはいけません!」
 ブラウンがそう言うのも聞かずに、明は水の中に入って岩肌まで泳いで行った。
 「人間、なんのようだ。」
 マーメイドがそう言うと、急に天候が悪くなり、雷鳴が轟き、波が荒れ始めた。
 「マーメイド、セルキー!ちょっと待ってくれないか?すまないね、僕の連れが。」
 北斗が岩肌までいくと、その嵐は急に弱くなり、天気は快晴へと戻った。
 「まーめいど、せるきー、俺の主人、そっち、行った。すまない。でも、悪気、無い。それ、解って、くれ。」
 デントはそう言うと深々と頭を下げて、明をかついで砂浜に戻った。
 「お前の友と言うなら許してやろう。しかし、この少女はなんなのだ?」
 マーメイドはそう言うと、岩肌でマーメイドとセルキーを見つめてにこにこしている少女を指差した。
 「美香か・・・すまなかったね。」北斗はそう言うと、美香の頭を小突いて再びこう言った。「美香。ダメだろう?急に傍に寄ったりしたら。」
 「えっ?!あー・・・だって、二人とも凄く美しいんだよ?お世辞抜きでさっ☆こんなに綺麗な人達が居るなんてさー・・・ここ、すんげーいい所じゃん。馬路で、無くしたくないね。」
 美香はそう言ってにっと笑った。マーメイドはその言葉に毒気を抜かれたのか、ちょっと待っていろ、と言って海の底に潜っていった。
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