妖精と精霊と人間と
 そんなことをしている間に、マーメイドが岩肌へと戻って来た。
 「美香とやら。お前にこれをやろう。私達の宝、涙の杖だ。セルキーが人間に捕まった際に、どうしても逃げられなかった時に流す涙が固まり、装飾されたものがこれだ。水の魔力が上がる効果がある。」
 マーメイドはそう言うとにっこりと微笑んだ。美香はそれを、炎の杖と一緒に背負った。
 「ありがとう。それじゃあ、またね♪」
 そう言ってにっこりと微笑んで、皆の元に走って行った。
 「マーメイド。良い人間もいるみたいね。」
 「ああ、そうだね。」
 マーメイドとセルキーはそう言って微笑むと、水の中へと戻って行った。
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