妖精と精霊と人間と
 食事の準備をしながら、ラーグウェイはこう言った。
 「美香は、強くなったな。」
 そう言って薄く微笑むと、美咲もにっと微笑んでこう言った。
 「本当にね。凄いよな、美香は。あっという間に私も抜かれそうだ。」
 明も北斗もブラウニーもデントもリデロも、皆が美香を誉めていた、皆に誉められたことが、美香にとっては何よりも嬉しかった。もう、自分は無力ではないと解ったのだから。
 「出来た!今日はあたしの十八番のジンギスカン。絶対美味いよ?」
 そう言って、鉄板の上で焼いた羊の肉を持ってきた。
 最初に、リデロがそれを口にふくんだ。羊の肉が、口の中でフワーッと溶けていった。柔らかくあぶらも溶け出してくるが、後味は凄くサッパリしていた。
 「美味しいー!スッゴーイ。」
 そう言って、リデロは目を輝かせていた。まるで、今までこんな料理食べた事が無いといった感じだ。どうやら、皆同じの様だ。
 「美咲、料理の腕上がったな。スゲーじゃん!」
 明はそう言うと、あきる様子も無くジンギスカンを食べていた。
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