あふれる涙のドロップス
「…リン、リン!」


 
 僕はまだ寝ているリンを揺さぶる。



「ん…んん?」



 リンが、寝ぼけ眼で僕を見る。



「もう…朝…?」



 まだ眠いのか目をこすりながらリンは僕に聞く。



「うん。これから朝ごはんだから、僕は一階に行ってくる。リンは少しだけここで待ってて」



 リンが頷くのをしっかり見て、僕は階段を駆け下りる。


 

 *   *   *



「いただきます」


 
 手を合わせ、ごはんを食べ始める。



 全部食べ終わったら、ミルクを一気飲みして、「ごちそうさま!」と言いながら食卓の上にポンと置いてあった惣菜パンを掴んだ。



「リン!」



 僕は、部屋のドアを開けながら叫んだ。



「ん?」



 リンは、窓の外をじーっと見ていたが、僕の声ではっと我に返ったようだった。



「お前…お腹すいてないか?」



 その途端、ぐぅう~、という音が聞こえた。



「…空いてるんだな」
  


 僕は惣菜パンを差し出しながら、



「お前、この世界の食べ物食べれんの?」



 と訊いた。



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