あふれる涙のドロップス
それで男子バレー部の立川と果歩は知り合いなのか。
「武藤くん新部長だよね?元気にしてる?」
途端に立川が固まった気がした。
「え、ええ。すごいサーブ打ってますよ、毎日」
無理矢理微笑んで果歩に返事する。
「そっか。また皆にもよろしく伝えといてね。じゃ、隆行こ」
「じゃあな、立川」
「またな」
そう言い合うと、俺らは別れた。
目の端に、七瀬が店から出てきて、立川が駆け寄ってく、というのが見えた。
「あの二人。きっと付き合ってるのね」
果歩が振り返って言った。
「だろうな」
俺はそれだけ言った。