あふれる涙のドロップス


 それで男子バレー部の立川と果歩は知り合いなのか。




「武藤くん新部長だよね?元気にしてる?」




 
 途端に立川が固まった気がした。





「え、ええ。すごいサーブ打ってますよ、毎日」





 無理矢理微笑んで果歩に返事する。





「そっか。また皆にもよろしく伝えといてね。じゃ、隆行こ」





「じゃあな、立川」





「またな」





 そう言い合うと、俺らは別れた。




 目の端に、七瀬が店から出てきて、立川が駆け寄ってく、というのが見えた。





「あの二人。きっと付き合ってるのね」





 果歩が振り返って言った。





「だろうな」




 
 俺はそれだけ言った。
< 102 / 145 >

この作品をシェア

pagetop