あふれる涙のドロップス

「……っ。僕は先に行ってるからな!」




 
 少し苛立ったような立川の声が、離れていても俺に伝わる。『通話終了』という文字が、画面に映る。







 
 ピー、ピー、ピー、という冷たい電子音が、耳に自然と流れこむ。





「………くそっ!」




 スマホをポケットに押し込むと、俺は、ほとんど無意識のうちに、土手へと全力疾走していた。
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