あふれる涙のドロップス
立川 海斗の焦り
リンと古着屋に行った帰り、たまたま土手を通ったら、女子が他校の奴らに手首を掴まれて、無理矢理どこかに連れて行かれそうになっていた。
「………ねえっ!あれ、南さんじゃない!?一組の!」
「え……?」
リンに言われてから気づいたが、あの髪型は、確かに南 遥香だ。
「助けないと!でも、どうしよう!」
おろおろとするリンは、顔がもう真っ青になっている。
「リンは、とりあえずおとなしくしてろ。僕と葉山で何とかするから」
「葉山くんて……今から呼ぶの?」
「僕等は携帯というものを持ってるじゃないか!」
リンは、泣きそうな顔をしながら、
「間に合わなかったら、どうするの」?」
と、僕の腕を掴んでいった。